@GroupSequenceの使い方と引数を徹底解説!【初心者向け】

@GroupSequenceは、複数のバリデーショングループを順序立てて実行させるためのアノテーションです。

通常、Bean Validationでは、フィールドやメソッドに対して複数の制約アノテーション(@NotNull, @Size, @Patternなど)をつけてバリデーションを行います。
この際、制約は指定された順序で同時に実行されます。しかし、場合によってはバリデーションの実行順序を制御したいことがあります。
例えば、あるフィールドが@NotNullであるかを確認した後に、@Pattern@Sizeなどのさらなる制約をチェックしたいといったケースです。

このような場合に使えるのが@GroupSequenceです。これにより、指定した順序でバリデーショングループを適用でき、1つ目のグループでエラーが発生した場合は次のグループのバリデーションが行われない仕組みを作れます。


基本的な使い方

@GroupSequenceを使用するためには、まずバリデーショングループを定義する必要があります。例えば、以下のようにユーザー情報をバリデーションする場合を考えてみましょう。

public interface BasicChecks {}
public interface AdvancedChecks {}

上記のように、2つのバリデーショングループを定義しました。次に、このグループに対応するフィールドに制約を設定します。

public class User {
    
    @NotNull(groups = BasicChecks.class)
    private String username;
    
    @Size(min = 8, groups = AdvancedChecks.class)
    private String password;
    
    // その他のフィールドやメソッド
}

この例では、usernameBasicChecksグループ、passwordAdvancedChecksグループでバリデーションされます。しかし、ここではまだバリデーションの順序が指定されていません。そこで、@GroupSequenceを使って順序を定義します。

@GroupSequence({BasicChecks.class, AdvancedChecks.class})
public interface ValidationOrder {}

このValidationOrderを使うと、まずBasicChecksが実行され、そのバリデーションに問題がなければAdvancedChecksが続いて実行されます。これで、usernamenullであればpasswordのバリデーションが行われない仕組みが作れました。


実際のバリデーションの流れ

次に、@GroupSequenceを使ってバリデーションをどのように実行するかを見ていきます。Spring Frameworkでは、@Validatedアノテーションを使ってグループごとにバリデーションを実行できます。

以下のようなコードで、ユーザー情報の入力を順序立ててバリデーションします。

@RestController
public class UserController {
    
    @PostMapping("/users")
    public ResponseEntity<String> createUser(@Validated(ValidationOrder.class) @RequestBody User user) {
        // ユーザー情報を保存する処理
        return ResponseEntity.ok("User created successfully");
    }
}

ここで、@Validated(ValidationOrder.class)により、BasicChecksから順にバリデーションが実行されます。usernamenullであれば、passwordのチェックはスキップされ、すぐにエラーメッセージが返されます。


応用編:@GroupSequenceのネスト

@GroupSequenceをさらに使いこなすために、グループ内で別のグループをネストすることもできます。例えば、あるグループ内でさらに複数のチェックを順番に行いたい場合です。

@GroupSequence({BasicChecks.class, AdvancedChecks.class})
public interface DefaultChecks {}

@GroupSequence({DefaultChecks.class, FinalChecks.class})
public interface CompleteChecks {}

このようにネストしたグループ構造を作ることで、バリデーションの段階を細かく制御でき、複雑なシナリオでも柔軟に対応可能です。


注意点

  • パフォーマンス: 多くのバリデーショングループを使いすぎると、バリデーションの実行時間が長くなる可能性があります。必要最小限のグループで効率的にバリデーションを行うことが重要です。
  • デフォルトグループ: Defaultというバリデーショングループが自動的に含まれるため、@GroupSequenceを定義しない場合でも、このデフォルトグループでバリデーションが行われます。必要に応じて、デフォルトグループをカスタマイズすることが可能です。

まとめ

@GroupSequenceを使うことで、複数のバリデーショングループを順序立てて実行し、より柔軟なバリデーションを実現できます。順番にチェックを行うことで、無駄なバリデーション処理を避け、エラーが発生した時点で処理を中断できます。

REST APIや大規模なデータ入力フォームなど、特定の条件下でのみフィールドをバリデーションしたい場合に、@GroupSequenceは非常に便利です。実際にプロジェクトに取り入れてみて、バリデーションの効果的な制御を試してみてください。

もっと詳しく知りたい方は、Spring公式ドキュメントを見てみてくださいね。

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